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「歯を全部失ってしまった」「無歯顎と診断されたが、どんな治療が受けられるのかわからない」——そのような不安を抱えていらっしゃる方は、決して少なくありません。無歯顎は、見た目やお口の機能だけでなく、全身の健康にも深く関わる状態です。しかし、現在の歯科医療では複数の治療選択肢があり、専門医のもとで丁寧に診断を受けることで、お口の機能と審美性の回復が期待できます。
無歯顎(むしがく)とは、上顎または下顎、あるいはその両方において歯が一本も残っていない状態を指します。虫歯や歯周病の進行、外傷、全身疾患の影響などによって、長い年月をかけて歯を失い続けた末にこの状態に至ることが多くあります。日本では高齢化を背景に、無歯顎の方の割合は依然として一定数を占めており、特に60代以降に多く見られます。
「もう歯がないのだから仕方ない」と諦めてしまっている方もいらっしゃいますが、現代歯科医療では無歯顎であっても機能と審美性の大幅な改善が期待できます。まずは無歯顎がお口や全身にどのような影響を与えるのかを正しく理解することが、治療の第一歩です。
歯を全て失った状態が続くと、顎の骨(歯槽骨)が徐々に吸収・萎縮していきます。これは歯根からの刺激がなくなることで骨の代謝が低下するためです。骨の吸収が進むと、入れ歯が合わなくなったり、将来的にインプラント治療を検討する際に骨の量が不足するケースも出てきます。
また、咬む力が著しく低下するため、食べられるものが限られてしまい、栄養の偏りや消化器系への負担が増すことがあります。さらに、発音・滑舌への影響、顔の輪郭の変化(頬のたるみやしわ)、そして自信を持って笑えなくなるといった心理的なストレスも見逃せません。無歯顎は単なる「口の中だけの問題」ではなく、全身の健康と生活の質(QOL)に直結する状態です。
「総入れ歯を入れたから問題ない」と考えている方も多いのですが、これは注意が必要な誤解です。総義歯(総入れ歯)は顎骨の吸収を止める効果を持つものではなく、骨の萎縮は装着中も少しずつ進行します。そのため、定期的な入れ歯の調整や、必要に応じた治療の見直しが欠かせません。また、入れ歯の使用感や安定感には個人差があり、合わない入れ歯を使い続けることで顎や周辺組織にかえって負担がかかることもあります。
無歯顎に至る最も多い原因は、歯周病の長期的な進行と重度の虫歯(う蝕)の放置です。歯周病は初期段階では自覚症状が少なく、気づかないうちに歯を支える骨(歯槽骨)が溶け続けることが多いため、「気がついたら歯がぐらついて抜かざるを得なかった」という経過をたどるケースが多く見られます。
歯周病は「沈黙の病気」とも呼ばれ、痛みなどの自覚症状が現れにくいまま進行します。歯槽骨の吸収が一定レベルを超えると歯が動揺し始め、やがて保存が困難になります。早期発見・早期対処が重要ですが、無歯顎になった後も骨の状態の評価が治療方針を左右します。
多数歯にわたる重度の虫歯が治療されないまま放置されると、歯の根まで感染が及び抜歯を余儀なくされます。一本の歯の喪失が連鎖的に咬み合わせの崩壊を招くことがあり、最終的に無歯顎へと至るケースも少なくありません。
歯を失ってからの時間が長いほど、顎骨の吸収量が多くなる傾向があります(個人差があります)。骨の量・質によって選択できる治療法が異なるため、「今の顎の状態をきちんと診てもらう」ことが、適切な治療計画を立てるうえで不可欠です。
上顎の無歯顎と下顎の無歯顎では、骨の形状・吸収パターン・治療の難易度が異なります。特に上顎の奥歯周辺には「上顎洞(副鼻腔)」があり、骨が薄くなっている場合はインプラントの埋入に際してサイナスリフトと呼ばれる骨造成処置が必要になることがあります。また下顎は上顎と比べて入れ歯が安定しにくい傾向があります。こうした解剖学的な違いを踏まえた診断が重要です。
最もスタンダードな治療法が、総義歯(総入れ歯)です。外科処置を伴わず、保険診療でも対応できる点が大きな特徴です。ただし、粘膜だけで支える構造のため安定感に限界があり、特に下顎では「外れやすい」「動く」と感じる方も多くいらっしゃいます。自由診療で精度の高い義歯を製作することで使用感が改善することも期待できます(個人差があります)。
✅ メリット
⚠ 注意点
インプラントを土台に義歯を固定する方法が「インプラントオーバーデンチャー」です。少ない本数のインプラントで義歯を安定させるため、総義歯のガタつきや外れる問題を大幅に改善できることが期待できます(個人差があります)。義歯は取り外し可能なため清掃も行いやすい点が特徴です。顎骨の状態によっては骨造成(GBR・サイナスリフトなど)との組み合わせが必要になる場合もあります。
✅ メリット
⚠ 注意点
複数のインプラントを埋入し、その上に固定式の人工歯(ブリッジ)を装着する方法です。天然歯に近い咬み心地と審美性が期待でき、取り外しの手間がありません。顎骨の状態・全身の健康状態・生活スタイルなど総合的な評価のうえで適応が決まります。骨量が不足している無歯顎の場合は、GBR(骨誘導再生法)やサイナスリフトなどの骨造成処置を先行させることがあります。治療期間は症例によって異なり、数ヶ月〜1年以上かかることもあります(個人差があります)。費用については詳しくはお問い合わせください。
⚠ 治療を検討する前に必ず確認を
インプラント治療は外科処置を伴うため、全身疾患(糖尿病・骨粗しょう症・血液疾患等)の有無、服薬状況、喫煙習慣などによって適応・リスクが変わります。インターネットの情報だけで判断せず、必ず専門医によるカウンセリングと精密検査を受けたうえで治療方針を決定してください。
東京都中央区八重洲のノブデンタルオフィスでは、無歯顎・難症例にも対応できる専門医チームが在籍しています。現在の顎の状態を詳しく診査し、あなたに合った治療選択肢をご提案します。
インプラント治療を行うには、埋入できるだけの骨の量と骨質が必要です。無歯顎の方の多くは、長期にわたる骨吸収によって顎骨が萎縮しており、そのままではインプラント埋入が難しいケースがあります。こうした場合に活用されるのが「骨造成」と呼ばれる処置です。
GBR(Guided Bone Regeneration)は、骨が不足している部分に骨補填材と再生誘導膜を用いて新しい骨を再生させる処置です。特に骨の水平的・垂直的な不足に対して用いられます。一方、サイナスリフトは上顎奥歯付近の骨を増やすための術式で、上顎洞の底部を持ち上げて骨補填材を填入します。どちらの処置も高い技術と経験が求められ、専門医による対応が望ましい分野です。
骨造成後、インプラント埋入が可能な状態になるまでに一定の待機期間が必要です。症例によっては数ヶ月単位の期間を要することもあります(個人差があります)。治療全体の流れについては、詳しくはお問い合わせください。
骨造成を含む外科処置に対して、強い不安や恐怖を感じる方も多くいらっしゃいます。そのような方のために、ノブデンタルオフィスでは静脈内鎮静法に対応しています。点滴で鎮静薬を投与することで、意識は保ちながらもリラックスした状態で治療を受けられる方法です。歯科麻酔医が在籍し、安全管理のもとで対応しています。具体的な適応については診察時にご相談ください。
東京都中央区八重洲に位置するノブデンタルオフィスは、2012年の開院以来、一口腔単位での診療を基本方針として掲げてきました。無歯顎の治療は「歯を入れればよい」というものではなく、顎骨の状態・咬み合わせ・全身の健康状態・患者さんのライフスタイルを総合的に評価したうえで最適な治療計画を立てることが重要だと考えています。
⚕ 院長 植原亮 よりコメント
無歯顎の方が来院されたとき、私が最初に伝えることは「まず今の状態を正確に知りましょう」ということです。骨の量・質・全身状態・生活環境——これらを丁寧に診査してはじめて、その方に合った治療計画をご提案できます。審美性と機能性の双方を高い水準で回復することを目指し、患者さんお一人おひとりに向き合ってまいります。
この記事のまとめ
東京駅直結・八重洲地下街17番出口すぐ。専門医複数在籍・骨造成対応・静脈内鎮静法対応。難症例・口腔崩壊症例のご相談も承っています。初回診療相談5,500円(税込)、セカンドオピニオンも対応しています。
診療のご相談・セカンドオピニオンをご希望など不安なことがあれば以下よりご相談ください
お電話でのご相談:03-6225-5888
月・水・金・土:9:30〜18:30 / 火・木:9:30〜19:30(日曜・祝日休診)
⚕ 理事長・総院長 北原信也 よりコメント
無歯顎の治療は、決して「最後の手段」ではなく、お口と全身の健康を取り戻すための大切なスタートだと考えています。一本の歯の治療から全身の健康づくりに大きく貢献できる——それが歯科医師という仕事の醍醐味であり、責任でもあります。患者さんとともに問題を解決し、長期的なトラブルを回避するための治療とメンテナンスの両輪を、私たちは誠実に回し続けてまいります。